はじめに
無償で C 言語もしくは C++ のプログラミング環境を整えたい人向けの情報です。Windowsユーザーを仮定します。ここでは Embarcadero社のフリーの C++ コンパイラをインストールする方法を説明します。ただその前に、他のコンパイラについても軽く説明しておきます。
将来的にサーバー構築やサーバーアプリケーションの開発などを視野に入れているなら、Windows ではなく Linux 上でプログラミングするというのも考えられます( Linux をインストールすると GCC というコンパイラがついてきます)。わざわざ Linux をインストールするのが大変なら、Windows 上で UNIX 環境をエミュレートできる Cygwin をインストールし、その上でプログラミングするという手もあります。Cygwin からコンパイラである GCC に関係するツールだけを抜き出し、軽量化したものとして MinGW がありますので、こちらを用いるのも良いでしょう。また、Windows アプリケーションの開発を考えているなら、Microsoft Visual C++ が良いでしょう。ただ、プログラムを組むにはプロジェクトの概念を理解する必要があり、若干、初心者には敷居が高いと思います。
Embarcadero C++ コンパイラは、簡単にインストール出来てプログラミングも出来るのが良いところですが、コンソールプログラムしか作れません。それでも、初心者が最初にプログラミングしてみる分には丁度良いと思います。
Embarcadero C++ コンパイラのインストール
ダウンロードしたら ZIPファイルを解凍します。解凍先はドライブの一番上が良いでしょう。別の場所に解凍してしまった場合も移動すれば OK です。解凍すると BCC102 というフォルダが生成されます(BCC102 の 102 の数字はバージョンアップに伴い変わる可能性があります)。ここでは、Cドライブの一番上に解凍し、フォルダが C:\BCC102 になっているものとします(別の場所に解凍した場合は適宜読み替えて下さい)。
コンパイル
適当なフォルダを作成し、エディタ(メモ帳など)で以下のテストプログラムを作成し、適当な名前で保存します(ここでは、test.cpp とします)。
#include <stdio.h>
int main(){
printf("This is a test program!\n");
return 0;
}
次に、コマンドプロンプトを起動し、テストプログラムのあるフォルダに移動します。コマンドプロンプトは、すべてのプログラム→アクセサリ、よく使うアプリ→Windows システムツール、などで見つかります。
「C:」や「E:」等と打ち込むと、打ち込んだドライブに移動でき、「cd フォルダ名」で一つ下のフォルダに移動できます。他にも、「cd ..」で一つ上のフォルダに移動したり、「dir」でファイルやフォルダ一覧を表示したりすることができます。「コマンドプロンプト 使い方」などで検索したりもしてみて下さい。
c:\BCC102\bin\bcc32c test.cpp
と入力してみましょう。エラーが出なければコンパイル成功です。コンパイルが成功したら、test.exe というファイルが生成されている筈です。これが実行ファイルになります。実行ファイルを実行するには、単に test と入力します。プログラム通り「This is a test program!」と表示されればプログラム実行も成功です。
Pathの設定
コンパイルするたびに、コンパイラのインストール場所である c:\BCC102\bin\bcc32c を入力するのは面倒ですね。しかし、コマンドプロンプトを起動した後、最初に
set path=c:\BCC102\bin;%PATH%
bcc32c test.c
と入力するだけでコンパイルできます。ただし、コマンドプロンプトを閉じるとリセットされます。
毎回コマンドプロンプトを立ち上げる度に Path を設定するのが面倒なら、Windowアイコンを右クリック→システム→システムの詳細設定→環境変数、で、システム環境変数のPathを選択して編集し、c:\BCC102\bin を追加すれば、コマンドプロンプトを起動するたびに Path を設定しなくてもよくなります。
ただし、システム環境変数のPath の設定は、間違えると最悪の場合、他のアプリケーションが起動しなくなることもありますので、Web検索などでやり方をよく調べて注意深く行って下さい。「windows 10 Path 設定」(Windowsのバージョンは適宜変更する)などで検索すれば色々と出てきます。